行政書士業務は商事・民事と法律体系によって2つに大別されますが、ここから更に「専門業務」と「代行業務」に分けることができます。
行政書士が扱える業種は多いといえど、なんでもできる訳ではありませんし、どのような商品を扱うが重要になります。
行政書士業務(商品)選択の際に、この2つは非常に大切な概念になりますので、頭の片隅にでも置いていてくださいね。
◇専門業務とは、顧客との情報格差が大きく、一般の方では到底なし得ない書類作成、申請業務のことを言います。
公益認定申請や金融商法関係などですね。
これらの業務は、専門性が非常に高いので、当然、知識・業務の研鑽が必要になります。
業務知識を得るための書籍代は結構掛かりますし、業務終了までの期間も長くなります。当該業務に費やす労働時間も増えるでしょう。
ただ、その分、報酬単価も高い。
ライバルも少ない。
景気にも左右されにくいですし、同業からも真似されにくい。
専門業務をがちっと決めて、猪突猛進、時間・労力を費やして専門性を高めることによって市場を独占できる可能性があります。
難点は市場が小さいこと。
専門業務だけを扱う場合、それだけで経営が成り立つ仕組みを作っておかなければなりません。市場が小さいので、法改正などがあった場合(手続きが簡便になったり)は、一気に厳しい情況に陥ってしまう可能性もあります。
◇代行業務とは、顧客が自分でできないでもないが、時間と労力は掛かるのでアウトソージングをする。行政書士側からするとルーチン化が可能な申請業務のことを言います。
自動車の名義変更や車庫証明、その他、比較的簡単な部類の許認可申請業務ですね。補助者でもどんどん処理ができる業務とでも言いましょうか。
今となっては会社設立業務なども熾烈な価格競争にさらされて、ルーチン化しないと勝負できないところまで来ていますね。僕の事務所は丁寧に、起業支援を行いますが、ゼロ円などでやってる事務所は雑でしょうね。
こちらは、参入障壁が少ないので、当然、ライバルも多く、価格競争に陥りやすい。同業との熾烈な戦いが待っています。
ただ、市場自体は大きい場合が多いです。代行業務で勝つには圧倒的なマーケティング力・営業力・組織力が必要になるのかなと思います。
行政書士事務所の経営において、僕が一番良いと思うのは、この両者をバランスよく育てていくことかなと。
どちらか一方に比重を置きすぎてもそれぞれデメリットがありますし、それなりのリスクヘッジをしておく必要があるでしょうね。
新人行政書士さんの場合、そもそもすぐには専門業務を扱うことはできません。
他には無い専門性は実務知識と実務経験によってしか得ることはできませんからね。
では、どうすればよいか。
専門業務は長期的視点でスロースタート、代行業務は最初から全力ダッシュで取りにいく。もちろん代行業務にも専門知識は要りますが、組みし易いほうです。
ただ漠然と、「行政書士ができる業務は何でもやってやるぞ!」では、経営はおぼつきません。
短期的視野と長期的視野、両方のバランスを保ちながら商品選択・業務を行うことが肝要です。
24歳で開業。現在11年目に突入。開業3ヶ月目で売上100万円突破。2年目に事務所を法人化。月商700万円超。売上倍増の軌跡と、「金ナシ、コネナシ、実務経験ナシ」の弱者でも成功できる行政書士開業ノウハウを、余すことなく無料で公開中。メールマガジン購読者限定の特典もあります。→ご登録はこちら
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