独立開業前に行政書士事務所に就職して少しでも実務経験を積んでおきたい。
普通はそう思うものです。
ですが、行政書士事務所の求人は驚くほどに少ない。一人事務所が圧倒的に多いからですね。
実際に僕の知り合いの行政書士も一人で事務所を経営されている方が多くを占めます。
特に、地方は都心部に比べて更に求人数が減ります。
補助者として行政書士業務の経験を積めないのであれば、経験無しで開業するしかありません。
経験なし、コネなしで開業する際、最も不安なのが「実務」の部分ではないでしょうか。
かくいう私も全くの経験無し、コネ無しで開業しました。当然ながら最初は不安で不安で仕方ありませんでした・・・。^^;
まあでも大丈夫。なるようになるもんです(笑)。
こんな私でも早いもので行政書士開業12年目に突入、現在は法人化もしています。
このページでこれから解説していくことを実践して頂ければ、誰でも経験無しで実務はこなせるようになります。電話応対や面談スキルも身につきます。
ぜひ参考にしてください。
集客から業務終了までのサイクルはWEB、アナログ共にこんな感じになるかと思います。
1.集客ツールの作成
2.問い合わせ
3.面談
4.契約
5.書類作成
6.行政窓口に申請
7.業務終了
1はWEBを使った集客については、ホームページ、ブログ、SNSなどになるでしょう。アナログ営業に関しては、DM、営業チラシ、新聞折込、紹介営業、テレアポなどになるでしょうか。
上記業務フローの中で実務経験無して開業しようとする方が不安に思うのは、2「問い合わせ」、3「面談」の対応と、5の「書類作成」、6の「申請」をいかに行うかではないでしょうか。
僕もこの4つが不安のたねでした。
実務経験のない業務で、果たしてクロージングができるのか?、面談で依頼者の質問に返答できるのか?、完璧な書類は作れるのか、行政窓口と上手くやれるのか?
不安ですよね。
高いお金払ってホームページを作って広告を打って集客ができても、肝心のクロージングができなければ元も子もありません。
行政書士は書類作成のプロです。ミスも許されません。100%に近い確率で許可を取ってなんぼの世界です。
では、問い合わせと面談をどうやってクリアするのか、どうやって実務をこなすのか、見ていきましょう。
これは簡単です。実務書を20冊も読めば問い合わせ・面談の応対は誰にでもできるようになります。
実務書20冊をただ読むのではなく「熟読」します。みなさん、難関の行政書士試験をクリアされているのですから、このくらいは朝飯前ですよね。
単純な話ですが、これだけでその業務について横断的且つベテラン行政書士並みの知識を得ることができます。
不安を解消するには圧倒的な知識を仕入れるしかありません。裏技はありません。
実務書は高額なものも多いのですが、知識の仕入れをケチっていては行政書士失格です。
実務書をこれだけ読み混んでおけば普通に一般人からの問い合わせには完璧に対応できますし、面談でも大抵の質問にはスラスラと回答できるようになります。
知識を仕入れると同時に電話問い合わせや面談に備えて、電話受付シートや面談シートも作成しておくと良いでしょう。
電話問い合わせの場合、いきなり業務についての質問が来る場合もありますし、面談予約の電話のみの場合もあります。
予め電話受付シートを作っておけば、急な問い合わせに慌てることもありません。受付シートに従って、名前、連絡先、要件などを順に聞いていけば良いだけです。
面談時には、ヒヤリングシート・許認可要件チェックシート・業務フローシート・報酬額表・必要書類一覧表などを用意しておくと便利です。許認可のみならず民事系の業務をされる場合、例えば相続などですと、遺言相続相談受付けシート、相続財産チェックシート、相続分説明表などでしょうか。
面談に来られたお客様の立場からみても、これらの書式が整っていたら安心ですよね。
面談ではあなたの人となりのほか、事務所としての体制がきちんと整っているかも見られますので、事務所を運営していくための書式集も予め準備しておきましょう。
これらのシートがあれば面談自体もスムーズに進みます。お客様との言った言わないといった無用なトラブルも防げますしね。
電話応対や面談スキルに関しては、下記の記事も参考になるかと思いますので参考にしてください。
適宜、これらの書式集を利用頂いても良いかと思います。
実際に我々の事務所で使っている書式だけを集めてますので、実戦向きです。一から書式を揃える手間と時間が省けます。
こちらも基本は知識の応用です。
実務書20冊読んでいれば大抵の書類は作れます。とは言え、行政の細かな運営に関してはやはり行政窓口に直接問い合わせるなど柔軟な対応が求めれます。
実務書の中には申請書類作成の手引きなども当然掲載されているでしょうし、役所のHPで手引きなどが公開されていることも多いです。
これらのチェックは当然として、同時並行で許認可法令(根拠条文)、各種通達等も押さえておきましょう。
許認可は行政窓口との戦いと言っても過言ではありません。行政窓口との折衝では条文や通達を読み込んでるか否かで、役所担当者の反応も変わります。
「この行政書士は相当勉強してるな。下手な指導はできないな」
と思わせなければいけません。
なんだかんだで行政指導の類が多いですからね。法律に書いてないようなことも平気で言ってきます。
行政窓口の言いなりになっていては。依頼者の利益を守れません。無茶なことを言ってきたときは毅然とした態度で臨みましょう。確かな知識と法律を武器に。
行政窓口とは仲良くしておくことが一番ですが、戦うべきときは戦わなければなりません。
とは言え、都道府県によってローカルルールがあるのも事実。このあたりはさすがに経験を積んでいくしかありません。
電話応対、面談、実務。すべてはいかに準備しておくかにかかっています。
最初は不安かもしれません。でもはじめの一歩を踏み出さなければ何も始まりません。
不安に思う気持ちも十分にわかりますが、そこに気をもんでいる時間があるなら一冊でも実務書を読みましょう。一つでも多く事務所の運営書式を作っていきましょう。
まずはやってみること。自信は後からついてきます。
24歳で開業。現在11年目に突入。開業3ヶ月目で売上100万円突破。2年目に事務所を法人化。月商700万円超。売上倍増の軌跡と、「金ナシ、コネナシ、実務経験ナシ」の弱者でも成功できる行政書士開業ノウハウを、余すことなく無料で公開中。メールマガジン購読者限定の特典もあります。→ご登録はこちら
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