独立起業しても3年以内で70%が、10年以内には90%以上が廃業するとも言われていますが、その主な原因は何でしょうか。
具体的に検証していくと、戦略的なミスなど様々な要因はあると思いますが、多くは在庫と人件費に悩まされている中小企業や個人起業家が多いと感じています。
会計用語では「在庫」は「罪庫」とも言うらしく、過剰な在庫が資金繰りを圧迫させます。
極端な話、在庫不要なビジネスを選ぶというのは、開業時のひとつのリスクヘッジではないでしょうか。
僕は行政書士業、留学事業、コンサルを主にやっていますが、そのどれも在庫不要なモデルです。
これは意図してそのような分野を選んでいるのです。
まあ、そんなことを言うとどうしても物販関係のビジネスにとっては身もフタも無い話になってしまいますが、先方との契約関係によっては在庫を持たずに物販を展開している業者さんだっています。
例えば、うちのお客さんで浄水器の販売をしている方がいるのですが、その業者さんは在庫一切無しです。
お客さんのところへまず営業へ行き、売れたら即仕入れをするという方式でやっています。
25万円の販売価格で浄水器の売買契約を結び、お金をもらってからそのお金で浄水器を10万円でおろしてもらうそうです。
これなら、売れなければ売上になりませんが、万一売れない場合も在庫を抱える必要も支払の心配をする必要もないんですね。
つまり、仕入原価を完全に変動費化しているわけです。
こういった仕組みにしている業者はなかなか潰れないと思います。
融資を申込む際にも、先方に安心感を与えます。
次に人件費ですが、こちらもいかに変動費するかがポイントだと思います。
ある程度の売上になれば当然人も増やさねばならないわけですが、そうするとリスクが大きくなります。
収益が不安定なビジネスの場合、売上には好不調の波があるのに、人件費などの経費は決まった額毎月出て行くからです。
売上が順調な時は良いでしょうが、一月、二月と不調の月が続けばあっという間に潰れてしまいます。
ですので、立ち上げ当初の小さな会社などは、人材も変動費化できるように、つまり歩合給や完全成果報酬型での契約の方がリスクは低減できると思います。
売上が上がらなければ給料も少なく、きちんと稼いで来たのならば、その分たっぷり報酬をあげても資金繰りは問題ないでしょう。
他にも学生インターンを利用するなどの工夫が最初は必要ではないかなと思います。
インターンは基本的に無給である場合が多いので、やる気のある学生が集まります。
ウチも実際にインターンを入れていますが、能力の高さに驚かされるんですよね。
独立開業当初から在庫を多く仕入れようとしたり、新規雇用を考えたりする方は非常に多いのですが、設備投資をすればするほど、「運転資金」も増加していくことを忘れてはいけません。
当初の設備投資は融資と自己資金で何とかなっても、毎月の運転資金を売上でカバーしきれないとすぐに事業は頓挫します。
この点、起業される方には良く心に留めておいて頂きたいと思います。
設備投資計画を立てるときには、「本当に絶対必要なのか?」良く考えてみましょう。
24歳で開業。現在11年目に突入。開業3ヶ月目で売上100万円突破。2年目に事務所を法人化。月商700万円超。売上倍増の軌跡と、「金ナシ、コネナシ、実務経験ナシ」の弱者でも成功できる行政書士開業ノウハウを、余すことなく無料で公開中。メールマガジン購読者限定の特典もあります。→ご登録はこちら
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