敢えて難しい業務に取り組む。:コラム第66回。

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コラム第66回:敢えて難しい業務に取り組む。

僕自身、独立開業を考えている方の相談によく乗りますが、これまでは比較的簡単な業務から取り組むことをお勧めしてきました。

法人設立なんかは、比較的簡単ですので、新人でもすぐに取り扱える分野ですし、報酬もそこそこ頂けるので、オイシかったと言えるでしょう。

しかしここ最近の過当競争、過剰なまでのダンピング合戦となってきましたので、ここへ飛び込むことはあまり賢明とは言えなくなってきたと思います。

そこで新たに提案したいのが、「敢えて難しい業務に取り組む」ということです。

難しい業務にはなかなか他社が参入して来にくいですし、報酬単価がガクンと下げられることもないでしょう(しばらくは)。

僕自身、開業当初に、「外国法人の設立」を行っていた時は、同様のサービスを提供している行政書士はほとんどおらず、新人の僕に、1件あたり20万円の報酬で依頼してくるお客様が月に3,4件入ってきていました。

外国法人の設立と言うのは、一見難しそうに見えますが、実は非常に簡単です。

結局は皆、「難しいそう」というイメージだけで取り扱っていなかったのでたいした競争も無く高い報酬を頂けておりました。

現在はわざわざ外国法人にする意味合い自体あまりないので、お客様にお勧めしてはいないのですが、いまだに引き合いの多い分野です。

ただし、こういうと

「仕事を取れたとしても、最初の1件をやるのが怖い」

と返ってきます。

そこで僕が言うのは、

「最初の1件は絶対にクレームの来ない、実験台でやる」

と言うことです。

僕自身、最初の外国法人設立は、何を隠そう、僕自身の会社です。

別に僕自身が外国法人設立をしたかったわけではなく、外国法人設立の仕事をする為に、設立したのです。

要は予行演習です。

自分のですから、失敗しても痛くもかゆくもありませんし、クレームも絶対にきません。

勉強代として実費が14万円くらいかかりましたが、結果的にはその数十倍のリターンがありました。

必ずしも自腹を切れとは言いいませんが、まずは親族・知人の方に協力してもらったり、お客様に初めてやる業務である旨、了承を取った上で、無料で手続き代行をさせてもらっても良いのではないかと思います。

人間誰でも最初は初めてなわけですから、それを何とかして乗り越えなければなりません。

しかし1度でも自分の責任の下仕事をやると、かなり覚えます。

上司にやれと言われてやるのとはわけが違いますから。

僕は融資案件にしてもそうですが、まず自分で融資の申請をしています。

自分の融資申請だと、結果がどうでも別に構わないので、敢えてタブーを言ってみたり、適当な事業計画書を作ってみたりと色々実験ができます(笑)。

外国人の手続きにしても、ウチの叔母さんがフィリピン人なので、やらせてもらっています。

お客様相手では許されませんが、叔母さんですので多少書類間違えてもごめん、で済みます。

そうやって「許される失敗」をしながらも、緊張感を持って業務のひとつひとつをしっかりと頭の中にインストールしていけば良いのだと思います。

或いは、自分にできなくても出来る人を確保しておけば、お仕事紹介のついで業務を教えてもらうことも出来るでしょう。

「敢えて難しい業務に取り組む」としても、事前準備をこのように進めておけば、不安も多少取り除けるのではないでしょうか。

しかしながら、この仕事をやっていると、どんなに経験豊富になってきても、きちんと最後終るまでは不安で神経質になってしまいます。^^;

ストレスフルな仕事であるからこそ、やりがいもあり、お客様からも感謝されるわけですけどね^^

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